契約と解約を繰り返す
細野:自分が入っている「サブスク」を把握することができたら、家計負担を減らすには大きく、次の2つの選択肢があることに気付くのが重要になるんだ。
1つ目は、必要度が低いと思ったら、思い切って止めてしまう。これができると、この先、1年間で毎月の利用料金の12倍ものお金を節約できるので、かなりの家計負担の見直しになるね。2つ目は、必要度が高いと思った場合。この場合でも「毎月」から「1か月おきの解約と契約」への変更に自分が対応できるかをしっかり考えることが大切になるんだ。
具体的には、「サブスク」の契約は基本的に月ごとなので、何もしないと、そのまま契約した状態になって利用料金を支払い続けることになっていくんだよ。ただ、在宅時間が減ったりして以前ほどサービスを利用していないと、損をしているような状態になるよね。そこで、「使う月」と「使わない月」を決めて、月ごとに「解約」と「契約」を繰り返すんだ。そうすると家計の負担は1年間で毎月の利用料金の6倍ものお金を節約できることになるね。
さらに、これまでは払いっぱなしだった利用料金を、キチンと解約と契約を自分で繰り返すことで、「今このサービスを利用しているんだ」という実感を持てるように変わるんだ。そうすることで契約している月には、計画的に「サブスク」を活用し尽くせるようにも変われるんだよ。
くま:なるほど。契約しっぱなしが一番ラクではあるけれど、その場合は、そのサービスは“あって当たり前”と感じるようになるから、ありがたみが減って、そんなに使わなくなるかもね。1か月ごとに解約と契約を繰り返すと手間はかかるけれど、その方がお金を払っている、という実感が生まれやすいよね。サブスクは自動引き落としというのが家計の落とし穴としてあるから、物価高で苦しい際の見直しに適した固定費だと、とらえればいいんだね。
【プロフィール】
細野真宏/経済ニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート』が発売以来13年連続完売するなど家計管理のプロとしても活躍。『家計ノート』2023年版も発売中。
※女性セブン2022年9月29日・10月6日号