しかし安心はできません。保険約款では、保険会社の保険契約上の責任は復活の日から開始すると定めています。
その意味は、復活前のことについては、保険会社は保険金を支払う責任がないということだけではありません。保険契約者には、保険契約の復活の日を基準に改めて告知義務が生じると解されているのです。
従って、最初の保険契約のときには健康状態に問題がなかったとしても、その後保険契約で告知を求められる病気にかかったり、体調が悪化した場合には、告知により保険会社から復活を承諾されない可能性があります。
だからといって、告知しないでその病気が原因で死亡等保険事故が生じたときには、告知義務違反があったとして保険金の支給を受けられないおそれがあります。
失効を回避するかどうかは、自分の年齢・体調などから保険維持の必要性があるか、保険金額、そこから精算される貸付金の額、保険料支払いに加えて利息支払いをすることの損得も勘案して慎重に判断されることをおすすめします。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2022年9月29日・10月6日号