「来てくれることがただ嬉しい」
昭和24(1949)年創業の「豊川浴泉」は、「旅館のようなおもてなし」をモットーとし、建築当時からの格天井や、浴場の高い天窓が特徴だ。
燃料高の厳しい中でも、湯浴み用の手桶やイスを木目調のものに揃えるなど、快適な空間作りを一番に考えている。木造建築ゆえ維持や改修にも費用がかさむが、3代目番頭の岡嶋幸夫さんはこう言う。
「内風呂が一般的な今でも、うちに来てくれることがただ嬉しい。だから続けているのです」
営業後の清掃は、岡嶋さん自らがこなし、快適な空間を丁寧に整えている。