下町のド根性銭湯　ガス代は2.5倍、燃料費高騰に負けず“庶民のオアシス”を守り抜く

「近所の社交場としてあり続けたい」

　大塚記念湯（豊島区）の女将の安中妙子さんと若女将のキミヨさんは、長年大塚の町を見守り続けてきた。記念湯は1階が銭湯、2階がサウナ（別料金）となっており、営業開始の1時間前には常連客が集まり、地域の社交場になっている。

「7月の料金の値上げ後、『お風呂通いを週6から5に減らす』という方もいらっしゃいました」

　女将・安中妙子さんはそう話す。記念湯は昭和元（1926）年創業で地域の信頼が厚い。ガス代の高騰は苦しいが、「近所の社交場としてあり続けたい」と年賀タオルや子ども用おもちゃの配布など従来のサービスをなくす気はない。

　若女将のキミヨさんは、風呂場をアイドルのライブ会場にするなど新たな客層を広げている。「入浴だけでなく、遊園地みたいに楽しんでもらいたいですね」と親子で町の暮らしに寄り添い続けている。

■日の出湯・台東区（https://hinodeyu.com/）
住所：東京都台東区元浅草2-10-5　東京メトロ銀座線稲荷町駅徒歩2分
営業時間：14:00～23:00（最終入場22:40）
料金：大人500円 6歳以上12歳未満200円 6歳未満100円
定休日：水

■豊川浴泉・文京区（http://www.sentou-bunkyo.com/pg61.html）
住所：東京都文京区目白台1-13-1　東京さくらトラム（都電荒川線）早稲田駅徒歩5分
営業時間：16:00～23:50
料金：大人500円 6歳以上12歳未満200円 6歳未満100円
定休日：月、金

■大塚記念湯・豊島区
住所：東京都豊島区南大塚3-38-15　JR山手線大塚駅徒歩3分
営業時間：14:00～25:00
料金：大人500円 6歳以上12歳未満200円 6歳未満100円※サウナ施設は別料金
定休日：金　※祝金は営業
公式Twitter：@KinenyuSauna

取材・文／関山りえ　撮影／石井勇気、内海裕之

※週刊ポスト2022年9月30日号