2022年初頭から急速に円安・ドル高が進行中で、9月22日には一時1ドル=145円台をつけるなど、24年ぶりの円安水準となっている。日本円に比べて外貨の価値が高まっている中で、資産を外貨で保有すべく「外貨預金」の人気も高まっているという。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第13回は、「外貨預金の仕組みと始め方」について。
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前回は、資産を自国の通貨・円だけで持っていることのリスクについて解説しました。今のように円安が進行すると、貯金している100万円は、同じ100万円であってもその価値はどんどん目減りしていることになります。株や債券を分散するように、通貨も分散して持つのが賢い資産運用と言えるでしょう。その手段のひとつとして外貨預金について説明します。
外貨預金の仕組み
外貨預金の仕組みは、基本的に円預金と同じなので難しく考える必要はありません。預ける通貨が、円以外の通貨であれば外貨預金となります。通常の円預金では円で利息を受け取りますが、外貨預金の場合は、外貨で受け取ることになります。
金利は、その国の政策金利を基準に決められますので、政策金利が高い国の通貨で預金をすれば、利息がたくさんもらえます。日本では長くマイナス金利が適用されているので、銀行預金の金利もほぼゼロに近い状態です。一方、海外では政策金利が引き上げられていますので、受け取れる利息が多くなり、そのことが最近の外貨預金人気の要因のひとつとなっています。
外貨でお金を預けるためには、まずは外貨を購入しなくてはいけません。といっても、いちいち自分で外貨を買ってから、その外貨を銀行に預けるといった手間は必要なく、外貨預金をするタイミングで自動的に外貨を購入することになります。
手数料はかかる?
ニュースなどで「今現在の為替は1ドル=113.24円です」と耳にすることがあります。これは、1ドルと113.24円が等価ということになりますが、等価で交換できるわけではありません。円から外貨にしたり、外貨から円に戻すときは、為替手数料がかかります。
外国為替の取引における外貨との交換のレートのことを為替レートと言います。仮に為替レートが、1ドル=100円のとき、ドルに交換するには、手数料をプラスしたレート(買付レート=TTSレート)で交換することになります。逆に、ドルを円に交換するには、手数料を引いたレート(売却レート=TTBレート)で交換します。