為替レートが変わらなくても損をする?
仮に1米ドルあたり15銭の手数料がかかる銀行で、1ドル=100円のときに100万円を外貨預金するとしましょう。預けるときは、1ドル100.15円で交換されますので、9985.02ドルになります。その後、同じく1ドル100円のときに円で引き出すとすれば、1ドル99.85ドルで交換されますので、預けた9985.02ドルは、997,004円になります。つまり為替レートが同じでも、手数料分のお金は減ってしまいます。
それを避けるための方法は以下の3つです。
【1】なるべく円高のときに外貨預金に預けて、なるべく円安のときに外貨預金を引き出す。
【2】手数料をカバーできるくらい長期間預けて、金利を稼ぐ。
【3】手数料ができるだけ安い金融機関を選ぶ。
【1】を実践するためには、交換する外貨の過去の為替レートを調べて、だいたいどのくらいの幅で動いているかを確認することをおすすめします。たとえば米ドルを過去20年間でみれば、高いところで145円(最近がそうですね)、安いところで75円、100~120円の間に収まっている期間がいちばん長くなっています。となると、1ドルが100円以下のときに預金して、120円以上になったときに引き出すのが理想的に見えますが、為替のタイミングをはかるのはなかなか難しいので、時間を分散して預け入れ、引き出しをするとよいでしょう。
どんな通貨を選ぶべき?
オーソドックスなのは、世界でもっとも使われている通貨・米ドルです。為替レートも日々ニュースなどで気軽に知ることができますし、世界中でいちばん信用力が高い通貨とされています。とはいえ、米ドルだけを持つのでなく、できればリスク分散するために、複数の通貨を持つことをおすすめします。
新生銀行での取り扱い外貨預金の人気ランキングでは、1位米ドル、2位豪ドル、3位NZドルとなっています。資源価格が高騰していますので、資源国であるオーストラリアやニュージーランドの通貨が人気なのでしょう。
注意点は、金利の高さだけで通貨を選ばないことです。トルコリラやブラジルレアルなど、新興国の通貨は金利が高いですが、為替の変動が激しく、もらえる利息以上に、為替差損を負ってしまうリスクが高まります。