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角膜を削らない視力回復手術「ICL」 近視、遠視、老眼に対応する最新治療

視力矯正の選択肢は増えつつあるという(イラストはICL手術のイメージ/Getty Images)

視力矯正の選択肢は増えつつあるという(イラストはICL手術のイメージ/Getty Images)

1度の手術で「近視」「遠視」「老眼」も

 それが「ICL(Implantable Contact Lens)」と呼ばれる、角膜を削らない視力回復手術だ。近視などの治療でよく知られる、角膜を削る「レーシック」とは異なり、ソフトコンタクトレンズのような柔らかい多焦点眼内レンズを手術で眼内(黒目の後ろ側と水晶体の前面の間)に固定し、視力を矯正する治療法だ。レンズの進化により、遠近両用のICLなら、1度の手術で「近視」や「遠視」だけでなく、「老眼」まで治療できるという。

「角膜を削るレーシックは元に戻せませんが、眼内コンタクトレンズ(ICL)の場合はレンズを取り出して交換することも可能です。また、レーシックは強度近視で角膜が薄い人にはできませんが、眼内コンタクトレンズは度数を変えればいいので、強度近視にも適用できる。

 手術の所要時間は10~20分程度ですが、ICLは保険適用外のため、全額自費診療となります。また、ICLの術後に白内障などに罹患するリスクもあるため、手術するかどうかは医師と相談の上で検討することになります」

 さらに注意が必要なのが「緑内障」だ。

「日本人で失明が一番多い目の病気が、緑内障です。かつてよりも極小切開で行なう低侵襲の手術に進化しているものの、緑内障は手術しても欠けた視野は回復しません。最近は(緑内障の進行具合の目安となる)眼圧が自宅で測定できる機器が販売されるなど、より早期の治療ができる環境が整ってきました。白内障の手術のついでに緑内障手術を行なうケースも増えています」

 最新の治療法を知れば、失った視力を回復させ、将来の視力低下を予防することも可能になる。早めの受診が肝要だ。

※週刊ポスト2022年10月7・14日号

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