上を見すぎず、自分を下げず
手持ちのお金が寂しくても、貯金がゼロでも、「世の中、大きく見る」というのが大事だと思う。お金持ちの人を見ると誰しも、羨ましく思ったり妬んだりする気持ちが芽生えるけど、なんでもそう。ちょっと視野を広げてごらんなさいな。私のようなお気楽貧乏人にはうかがいしれない、お金持ちの不安や苦悩もありそうだしね。健康な精神を保つためにも、お金を持っている人を決して羨まないことよ。
身辺にまとわりつく面倒ごとがあっても、お金がないと時にはそれが“逃げ場”になるじゃない。たとえば、顔のしわが増えたのは、高級エステに行けないから。子供の成績が悪いのは、いい塾に通わせられないから、とかね。
貯金ができなくていいことはまだある。人から借金を申し込まれる心配がないことと、相続のもめごとと無縁なことだ。
それに、「余分なお金を持って何するの?」と私は聞きたい。上等な家具やブランドの服やバッグはメルカリやヤフオク!なんかでビックリするほど手頃な値段で手に入るし、終の住処が高級である必要がどこにある?
知り合いの元金持ちは、「どんなにたくさん金があっても、好きな饅頭が一度に10個食えるわけじゃない」と言って笑うけど、その通りだと思う。私も、「いま使う必要なお金があればいいではないの」と思ってる。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子さん/空中ブランコや富士登山など体当たり取材でおなじみ。本誌『女性セブン』連載『いつも心にさざ波を!』も好評。笑顔の絶えない65才。
※女性セブン2022年10月13日号