「金は天下の回りもの」と笑い飛ばす『女性セブン』の名物記者・オバ記者こと野原広子さん(65才)。「まとまったお金がなくてもやりくりできるし、毎日、幸せに暮らせている」と言う。貯金ゼロでも楽しく暮らすオバ記者の秘密はどこにあるのか。彼女に、3つの信条を挙げてもらった──。
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「貯金力」より「仕事力」
「貯金ゼロだと不安じゃないですか?」とよく聞かれる。はい。もちろん、不安です。でも、不安になりすぎる必要はないんじゃないか、と私は思ってる。たまたま普通預金に1か月か2か月分の生活費が残っていることはあるけど、たいがいはカツカツ。そんな自分を時々、ボウフラみたいだと思うことがあるけど、浮いたり沈んだりしても、水面が見えているならばオッケ。時には沈み込むこともあるけど、沈んだ実感があればオッケ。なんとかなる。
なぜなら、私には“貯金力”はないけど、“仕事力”がある。「楽しく働きゃなんとかなる」という自信がある。
私は「お金は道具」だと思っている。道具だから、使わないと意味がない。貯金をしたら気持ちが落ち着くとか、0の数が増えてお金の単位が上がるのを生きがいにしているという人もいるけど、貯金を精神安定剤にしたって仕方ないのに、と思う。
お金がなければ働く。しっかり働いて、楽しく暮らす。お金が足りなくなったら、ネジを締めてまたしっかり働く。「自分で働いて自分で使う」──独り身の私のお金観は、ものすごく単純だ。
何よりも健康第一!
貯金と結婚はよく似ていると思う。日々の楽しみを先送りにして、貯め込んだり満期を待ったりすることは、私の性に合わない。……まぁ、私には貯金も結婚も向かなかったのよね。
こんな私の話が他人様の役に立つかどうかわからないけど、私が自信を持って言えることがある。それは、「健康第一!」ということだ。
当たり前といえば当たり前だけど、貯金ゼロで生きていくことは、健康な体なしでは絶対に成り立たない。
だから、私は自分の体の変化には日頃からかなり神経を尖らせている。高血圧と心房細動の持病があるので、毎月の定期的な通院と投薬できっちりコントロールしているし、精神的にやばくなったときは、ひたすら寝るか、大好きな鉄道に乗るか、これまた好きな手芸をチクチクするかしている。
ちなみに、若い頃に患ったギャンブル依存症(特に麻雀依存)は、52才のときに禁煙補助剤で治療したら、あら不思議。たばこのにおいがダメになったのと同時に、牌を並べて一喜一憂するのがとてつもなく面倒になって、すっかり治ったの。