また、免疫力の低下も、薄毛・抜け毛に関係していると坂本さんは言う。
「今回の調査では、免疫力が低下しているときは、薄毛・抜け毛が気になると回答した人が約半数いました。
免疫力を高めるには、バランスのよい食事で腸内環境を整えることが大切ですが、免疫細胞マクロファージを活性化させる、LPS(リポポリサッカライド)という成分にも注目しています。LPSは土壌や空気中に存在する菌に由来する成分で、免疫ビタミンRとも呼ばれています。土の中で育つれんこんなどの根菜類、玄米、昔から髪にいいといわれるめかぶやわかめなどの海藻類にも多く含まれています。自然農法や無農薬のものを選び、積極的に摂ることで、免疫力にも毛髪にもよい影響が得られます」(坂本さん)
とはいえ、バランスのよい食事を毎日とるのが難しいなら、サプリメントの利用も有効だ。
原因の3位以下の項目と薄毛・抜け毛の関係は、別掲の表に記した通りで、それぞれに合わせた予防・改善の対策が必要になってくる。今回の調査では、実際には現在悩みがあるかないかに関係なく、生活習慣を整えるように心がけている人が多いことがわかった。さらに気になる人の場合は、健やかな頭皮のためのマッサージをプラスしていることが多かった。これは頭皮環境はもちろん、全身の健康のためにも正しい方法だ。
ここで、お酒好きの人に朗報。田中さんによると、原因の9位に入った飲酒は、女性の薄毛・抜け毛には直結していないというのだ。
「お酒を飲みすぎると、肝臓でアルコールがアセトアルデヒドに分解された状態で体内に残り、ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが増加します。これは男性型脱毛症(AGA)の原因となるホルモンですが、一般的な女性の場合は抜け毛の直接的な原因になるとは考えにくい。ただし、過度な飲酒は健康を損ないますので、それがストレスを生み、薄毛・抜け毛につながることもあるので、気をつけた方がいいでしょう」(田中さん)
閉経後に女性ホルモンが減り、相対的に男性ホルモンが優位になると、男性型脱毛症を発症するリスクが高まってくることも知っておこう。
【*出典はすべて、イミニ免疫薬粧による「薄毛・抜け毛と免疫力の関係」に関する調査。45才以上の女性1006人を対象にインターネット調査したもの。調査期間:2022年5月18~19日】
取材・文/山下和恵
※女性セブン2022年10月13日号