秋は抜け毛が急に増え、薄毛が気になる季節だが、そのメカニズムは? 毛髪に関する女性たちの実態調査の結果とそこから読み取れる傾向と対策を、医師の解説とともに紹介する。
秋に抜け毛が増えるのは、「自然の摂理」だと、美容皮膚科医の田中優子さんは言う。
「動物が秋になると毛が抜け始めて冬毛に生え変わるように、私たち人間も秋になると抜け毛が増え、“毛変わり”する傾向にあることが知られています。
さらに、夏の強い紫外線によって頭皮が日焼けして炎症を起こすと、発毛・育毛を促す毛母細胞がダメージを受け、毛細血管から毛髪に充分な栄養を届けることができなくなり、抜け毛が進みます。
また、エアコンなどによる乾燥の影響や、汗が毛穴をふさいでしまうことでも頭皮に炎症が起こりやすく、抜け毛や薄毛の原因になります」(田中さん)
顔や手足のUV対策はきちんとするのに、頭皮は無防備なことが多く、保湿など頭皮ケアが行われないことが多い。そうすると、夏のダメージが蓄積され、秋の抜け毛につながる。
「免疫ケアを通じて健やかな社会を作る」というスローガンを掲げ、化粧品等の商品開発を行っているイミニ免疫薬粧が、45才以上の女性を対象に『薄毛・抜け毛の実態調査』を行ったところ、現在、薄毛・抜け毛が気になる人は全体の約44%で、気になり始めた時期は45才を過ぎてからだと60%以上が回答した。
この結果について、同社広報担当・坂本真紀さんは、意外な結果だったと語る。
「年齢を重ねるにつれ薄毛・抜け毛に悩む人の割合が増えると思っていましたが、50才以上、60才以上で集計してもほぼ同じ割合でした。これによって、40代に入ると薄毛やその傾向が徐々に出始め、40代後半以降にはっきりと自覚するようになる、ということがわかります。
気になり始めたきっかけは、約半数が『シャンプー時の抜け毛の増加』と答えています。排水口にたまる抜け毛の量を見て変化を実感し、悩みにつながっていくようです」(坂本さん)