マック、吉野家、はなまるうどん。それぞれ“安さ”がひとつの魅力となっているファストフードチェーンだけあって、愛好者たちは値上げには理解を示しつつも、ネガティブな反応は少なくない。
「10年前であれば、安いメニューを探して300円程度で外食をするということも可能でしたが、いまはもう無理。ワンコイン以内で収めるのがやっとという状況です。そういう意味では、吉野家の『牛丼並盛』は448円ですし、はなまるうどんなら『かけ(小)』に安いトッピングを2つつければ、ギリギリ500円以内に収まります。
マクドナルドの場合、『ハンバーガー』(150円)、『チキンクリスプ』(150円)、『チーズバーガー』(180円)という、価格が安い3種類のバーガーについてはセット販売を行っていません。
もっとも安いセットのレギュラーメニューは、『スパチキ(スパイシーチキンバーガー)セット』と『スパビー(スパイシービーフバーガー)セット』で、それぞれ500円なので、ぎりぎりワンコイン以内の条件はクリアできます。しかし、『スパチキ(スパイシーチキンバーガー)』と『スパビー(スパイシービーフバーガー)』(ともに200円)は、今回の値上げの対象にはなっていないため、次回以降に値上げされる可能性は残っているでしょう。
現状では、吉野家、はなまるうどん、マクドナルドの各社が、ワンコイン以内で食事できるラインをかろうじて保っていると言えますが、それをどこまでキープできるかが当面の課題でしょう」(小浦氏)
定番メニューで「ワンコインで食事できるかどうか」が、ファストフードの“安さ”の新基準となっているようだが、はたしてその基準はいつまで続くか──。