原材料価格の高騰や円安などで、食品・日用品の値上げが相次いでいる。そうしたなかで消費者は、商品価格は据え置いたまま、こっそり内容量を減らす“ステルス値上げ”にも警戒しているようだ。
2022年6月に発表された、プライシングスタジオ株式会社の「ステルス値上げに関する調査」(インターネットリサーチ、期間:2022年4月1日~4月15日、対象者:18歳以上の男女、回答数:341名)によると、約7割が「ステルス値上げが増えている」と回答。「仕方がない」と容認する意見がある一方で、「不快に感じる」とネガティブに捉えている人も少なくないようだ。
なぜステルス値上げは嫌われるのか。消費者たちに話を聞くと、「こっそり容量を減らされるのは納得いかない」という声があるほか、「値上げしてもいいから、量を減らさないでほしい」という意見も聞こえてきた。
楽しみだったお菓子で悲しい気持ちに
金融機関に勤務する20代女性・Aさんが、最もがっかりしているというのは「お菓子」だ。
「お菓子のサイズが小さくなったり、形状が細くなったり、袋菓子の個数が少なくなったりしていますよね。ミニサイズが新発売されたのかと思ったら、それが通常のもので、あまりの縮小っぷりにすごく驚いたことがあります。
お菓子って、割と“楽しみ”にして食べるものなのに、最近は真逆。最初から今売られているサイズしか知らなかったらいいんでしょうけど、なまじっか昔を知っているだけに、悲しい気持ちになります。値上げしたら『高くなった』と思われるから、それを避けたいんだと思いますけど、私の場合、量が少なくなったことがわかると買わなくなりますね……」(Aさん)
商品価格据え置きでこっそり容量を減らす「ステルス値上げ」だけでなく、容量を減らしていることをはっきり表明した「実質値上げ」のケースもあるが、それも納得がいかないという。
「正直、衣類用洗剤や食器用洗剤などの日用品に関しては、価格据え置きで量を減らす意味がわかりません。だって、1回で使う量は変わらないわけですから。容量が減ると、その分買い増す回数が増えて、面倒なんですよね。値上げは仕方ないと思いますが、だからといって容量を減らすのはやめてほしい。値上げされても、いいものは買うし、そもそも生活必需品は買わざるを得ないわけですから」(Aさん)