普通の値上げとステルス値上げのダブルパンチ
IT企業に勤務する30代男性・Bさんは、久しぶりに買ったコンビニの肉まんに衝撃を受けた。
「肉まんが150円になっていたうえに、小さくなっていたのでショックでした……。私の学生時代は、100円以内だったはず。それでいて、満足感がありました。普通の値上げとステルス値上げの“合わせ技”を感じました。物足りなくて、まんまともう1個買っちゃいました(笑)」(Bさん)
そんなBさんも、「量を減らされるくらいなら値上げしてほしい」という一人だ。
「夕食用に丼を買ったら、下に入っているご飯の量が明らかに減っていて驚いたことがありました。こんなことなら、もう少しお金を出してラーメンでも食べに行ったほうがよかったな、と後悔。こちらは疲れて自分で作るのがイヤだから買っているのに、余計疲れた気分になります」(Bさん)
容量を減らしてでも価格維持にこだわるワケ
こうした意見がある一方で、メーカーに勤める40代の男性会社員・Cさんは、売り手側の立場から“価格維持の狙い”について、こう語る。
「『値上げしてもいいから同じ量で売ってほしい』という意見はすごくよくわかるのですが、価格維持も必要なんです。私は製造業に勤務しているので、価格を上げると想像以上に売れなくなっていく例を何度も見てきました。その一方で、目先の“買いやすい価格”で売っているということを喜んでくれる消費者もいる。そうしたことも考慮したうえでの、企業側の“苦肉の策”として理解してほしいです」(Cさん)
容量を減らして価格維持を選ぶか、値上げして容量維持を選ぶか──。企業側にとって、悩ましい選択なのは間違いないようだ。(了)