投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月3日~10月7日の動きを振り返りつつ、10月11日~10月14日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1178.9円高(+4.54%)と4週ぶり大幅反発。終値では達成できなかったが、週間高値では26週移動平均線を捉えた。
日経平均は週明けから278.58円高、776.42円高、128.32円高、190.77円高と4日続伸。一気に1400円近く上昇した。前の週末にかけての急落の反動で買いが入りやすかったほか、俄かに再び高まった米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ転換期待が売り方の買い戻しに拍車をかけた。
週初は、英国政府が最高所得税率の引き下げを撤回したことで金融市場混乱の不安が緩和したほか、米9月サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数が予想を下回ったことがFRBの利下げ転換期待を高めさせ、買い戻しに繋がった。週半ば、米8月求人件数(JOLTS)の予想以上の大幅な減少や豪中央銀行の予想外の利上げ幅縮小も、金融引き締め懸念の後退に寄与し、買い戻しを加速させた。
その後、米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁や米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁などから早期の利下げを否定するタカ派な発言が相次ぎ、4日続伸の反動もあり、週末の日経平均は195.19円安と5日ぶりに反落した。ただ、寄り付き直後から急速に下げ幅を縮めるなどかなり底堅い展開となった。
今週の東京株式市場はボラティリティー(変動率)の激しい展開が予想される。米国の物価指標などイベントが多く、全体的に神経質な展開が想定されるなか、発表が本格化する6-8月期決算を受けた個別株物色が活発化しそうだ。
12日に米9月卸売物価指数(PPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月20-21日)の公表がある。先週は米9月ISM製造業景況指数が予想を下回り、拡大と縮小の境界値である50割れ目前まで低下したことなどを契機にFRBの利下げ転換期待が再び台頭する局面があった。しかし、週後半、複数のFRB高官が利上げ停止はかなり先になるとの見解を示したことで早々に期待は沈静化。一連の経緯から、金融引き締め懸念が再燃しており、PPIの結果もさることながら、FOMC議事録の内容も注目される。