9月FOMCでは、政策金利見通しが大幅に引き上げられた一方、経済成長見通しが潜在成長率を下回る水準にまで大幅に下方修正されるなど、非常にタカ派な内容であった。議事録内容を株式市場が好感することはまずないとみられ、ネガティブに反応する可能性が高い。議事録を受けて再び大幅な利上げが景気後退・業績悪化懸念を強める展開も想定されよう。13日には米9月消費者物価指数(CPI)も発表予定で、コアCPIが上振れた場合には、前の日のFOMC議事録に続く流れを踏まえると株式市場の下振れリスクが懸念される。
仮にFOMC議事録を無難に消化し、物価指標も株式市場にとってポジティブな結果に終わったとしても、そこからの相場上昇は息の短いものになりやすいだろう。週末にはモルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴなどの米金融大手の決算が発表予定であり、景気後退が近づきつつある中、貸倒引当金の積み増し動向などが注目される。その後に次第に日米の7-9月期決算発表が本格化していくことも考慮すると、決算前にリスクを取る動きは想定しにくく、事前に警戒感が高い分、発表直前はリスク回避の売りなどが出やすいだろう。このため、今週の株式市場は下振れリスクがあるなか上がる可能性は低く、上がったとしても短期的なものになりやすいだろう。
一方、国内では11日に景気ウォッチャー調査の発表があるほか、入国者数の上限撤廃などの水際対策の緩和、そして全国旅行支援が開始される。景気ウォッチャー調査の結果がポジティブなものとなれば、外部環境の不透明感が強い中で選好されやすいディフェンシブ性も相まって、リオープン関連やインバウンド関連の銘柄に物色が広がりそうだ。
今週は11日に9月景気ウォッチャー調査、12日に8月機械受注、9月工作機械受注、米9月PPI、FOMC議事録(9月分)、13日に9月企業物価指数、米9月CPI、14日にオプションSQ(特別清算指数)算出、中国9月PPI・CPI、米9月小売売上高、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数などが発表予定。