円安や物価高の進行は、各企業の業績に大きな影響を与えている。もうすぐ3月期決算企業が第2四半期の決算発表を行うが、そこにはどんな傾向が予想されるか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんが、10月に発表された最新の決算動向をもとに分析する。
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10月中旬を越えると、3月期決算企業における第2四半期決算発表が本格化していきます。10月末は主に製造業を中心に多くの銘柄が決算発表を実施し、ピークとなる11月11日には、1日に714社が決算発表を行います。その「決算の傾向」については、既に発表を行った2月決算企業の決算内容からある程度つかむことが可能です。
今回は10月に第2四半期決算を発表した2月決算企業の決算内容をもとに、全体の傾向や株価の反応について分析してみたいと思います。ここまでの決算からは、大きく分けるとの3つの傾向が見えてきました。
リオープニング銘柄に「材料出尽くし」の売り
1つ目は、「材料出尽くし」です。10月6日の大引け後にセブン&アイ・ホールディングス(3371)が上半期(3月?8月)の決算を発表しました。営業利益は2348億円で前年同期比26.1%増益となり、従来予想の2225億円を上回りました。通期予想は従来の4450億円から4770億円、前期比23.0%増の上方修正となりました。
しかし、翌日の株価は大幅に下落してしまいました。同じ週に決算発表を行ったイオン(8267)やローソン(2651)も好決算であるにもかかわらず、株価が下落しています。このことから、リオープニング(経済活動の再開)期待で買われていた銘柄は、好決算だとしても新しいサプライズがなければ厳しい株価反応で、「材料出尽くしの売り」につながるという傾向が見て取れました。