値上げラッシュで家計が逼迫するなか、賃金は上がらず、公的年金の支給額も目減りしている。そうした中で、もし本当に生活が苦しくなったとき、どうすればよいか。実は、生活に困っている人が「払わなくていいお金」や「もらえるお金」は少なくない。
コロナ禍で困窮した世帯のために2020年3月に開始した「緊急小口資金」や「総合支援資金」といった特例貸付は9月末で申請期間が終了している。そんな中、相次ぐ物価高対策として新設された給付金もある。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが説明する。
「生活が困窮している世帯に一律5万円を支給する『電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金』が開始される予定です。住民税非課税世帯は申請不要ですが、コロナ禍で家計が急変したなど事情がある場合は、来年1月31日までに申請する必要があります(市区町村による)」
生活困窮者は国民年金や国民健康保険などの社会保険料の支払い免除や猶予があるほか、電気代やガス代の支払い期限を延長することも可能だ。
「今年12月31日まで申請できるのが『新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金』です。これは、緊急小口資金や総合支援資金を借り終えた場合などに、単身世帯で6万円、2人世帯で8万円などを3か月間支給するもの。同じく、住居費を3か月間支給する『住居確保給付金』の再支給も12月31日まで申請できます」(三原さん・以下同)
住民税非課税世帯の場合、医療費を大幅に抑えることが可能だ。高額療養費制度を利用すれば自己負担額を低く抑えられることは広く知られている。これがさらに、住民税非課税世帯で70才以上の場合、年金収入80万円以下などであれば世帯で1万5000円、個人なら8000円が上限になっている。