1泊いくらの宿がねらい目?
全国旅行支援の旅行代金の割引は40%で、1人1泊あたりの割引の上限は、宿泊のみの場合5000円、交通機関+宿泊のパック料金の場合は8000円である。
それにくわえて宿泊地のある都道府県などの飲食店などで使える地域クーポンが平日(金曜・日曜宿泊を含む)なら1泊(日帰り旅行の場合1日)につき1人3000円、休日(土曜宿泊)なら1000円分得られる。
この上限を上回っても宿泊費の割引金額は変わらないので、宿泊費が高ければ高いほど、割引率は低くなってしまう。では、安ければよいのかというとそれもちがう。というのも、全国旅行支援では、割引後の宿泊費が地域クーポンの金額を上回らなければならないという規定があるからだ。そのため、割引後の宿泊費がクーポンの金額と同額、もしくは少しだけ上回るようなケースが最も割引率が高くなる。
具体的にみてみよう。1室2名で平日宿泊の場合、1室1万円だと宿泊費が40%引きとなり、6000円。それに地域クーポンが1人3000円で計6000円(2人分)獲得できる。クーポンを金銭換算すれば、出費はゼロということになる。もし1室1名の場合は、5000円強がねらい目ということになる。
身分証明書と接種証明書はパスポート並みに重要
利用者全員について、運転免許証、健康保険証などの身分証明書にくわえて、3回目のワクチン接種証明か、PCR検査などの陰性証明書の提示が必要になる。ただし、家族で旅行する場合、同居している12歳未満は証明が不要となる。都道府県によっては、同行者のうち1人でもワクチン接種証明を持っていない人がいると、全員分割引が適用されないところもある。身分証明書とワクチンの接種証明は、当面海外に行くときのパスポートのようなものと心得たい。
全国旅行支援開始に予約した商品が割引対象になるかどうかは、予約した旅行会社や、予約日などによって異なる。これについては各旅行会社のホームページなどを確認してほしい。
他の割引制度と併用できる?
全国旅行支援はその他の割引制度と併用することも可能だ。例えば10月20日からスタートする東京都の全国旅行支援「ただいま東京プラス」は、東京都在住者のみが対象の都民割「もっとtokyo」と組み合わせることができる。
たとえば1室2名2万2000円のホテルに平日宿泊した場合、まず都民割で1万円引きの1万2000円となる。その後、全国旅行支援で宿泊費が40%引きの7200円となる。さらに2名で計6000円の地域クーポンがもらえる。このクーポン分を差し引くと、2万2000円のホテルにわずか1200円相当で宿泊する計算となり、実質的な割引率は約95%となる。
ちなみに全国旅行支援単体で最も割引率が高いのは、奈良県の「いまなら。キャンペーン2022プラス」である。全国旅行支援から全国の都道府県で唯一、居住地制限なく、割引を行っていたのが奈良県だ。全国旅行支援後は、通常の宿泊費40%に10%上乗せとなり、50%引きとなる。休日の地域クーポンも1000円上乗せされ、2000円もらえる。
このほか、さまざまな県で、全国旅行支援と併用できる割引制度がある。その多くは1泊につき1000円程度の割引だが、大盤振る舞いが期待できる県がある。それが埼玉県だ。10月12日時点では正式に発表されていないが、2022年11月中旬から2023年2月28日にかけて、埼玉県内の指定施設に宿泊すると、1人1泊につき3000円分のクーポンが提供される「とくとく埼玉!観光応援キャンペーン」が予定されている。仮に全国旅行支援と併用できるなら、平日で1室2名なら1泊につき、1万2000円分ものクーポンが得られることになる。
このほか、札幌市の「サッポロ割」や、函館市の「はこだて割」、名古屋市の「シャチ泊」など、各市町村が実施する割引については併用が可能なケースが多い。ただし、人気の宿はクーポンがすぐ枯渇してしまううえ、個別の宿によっては併用を認めていないところがあるので注意が必要となる。