都内の会社員・Cさん(30代女性)は、紙ストローについて「ふやけることより、固いことが嫌」だという。
「個人的な好みですが、PC作業時や運転時は、曲がるタイプのストローのほうが顔の角度を変えずに飲めるので、ありがたいんです。
紙ストローは固くて分厚く、まっすぐなので、意識してしっかりくわえないといけないというか、こちらからきちんと“迎え”にいかなくてはいけない。先日スタバのドライブスルーを利用したら、案の定、紙ストローで、ややストレスでした。マクドナルドはもともと曲がらないタイプのストローではありましたが、紙ストローになるとまったく曲がらなくなるので、憂鬱です。別に紙という素材が問題なのではなくて、単純に、ふやけずに曲がるなど、消費者が使いやすいものがあればよいのですが」(Cさん)
紙ストローに関する混乱は、まだ続きそうだという。前出・小浦氏はこう話す。
「紙以外にも竹や、バイオマス素材を使ったストローがありますが、やはりプラスチック製のストローと比べると、使い心地はイマイチという声も多い。大手飲食チェーンは、より飲み心地の良いストローの開発を進める必要があるでしょうが、誰もが納得できるものが誕生するには、まだ時間がかかるでしょう。あるいは、例えば紙ストローなら無料で、プラスチック製ストローは有料で提供するという選択肢もあるかもしれません」
消費者のニーズに応えながら、環境問題へ対処していくのは簡単なことではない。紙ストロー問題は、持続可能な社会を実現することの難しさを象徴しているのかもしれない。(了)