河野太郎デジタル相は10月13日、現行の健康保険証を2024年秋にも原則廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」へと切り替える方針を発表した。運転免許証についても、2024年度末までに一体化を目指しているという。来年5月11日からはAndroidスマホにマイナンバーカードの機能を持たせる準備を進めていることも明らかにされた。2022年9月末時点でのマイナンバーカードの交付率は49.0%と、まだ普及しているとは言い難い中での“事実上の義務化”に、街ではさまざまな声が挙がっている。
任意じゃなかったの?
メーカーに勤務する30代男性・Aさんは、今回のマイナンバーカードの「強制」ともとれる政府の決定に不信感を募らせている。
「そもそもマイナンバーカードを作るのって、当初は任意だったはずでよね? 他人に見せてはいけないもので、家で保管しておいて、みたいな説明を受けた覚えがあるんですけど……。こんな重要なことをしれっと発表してしまう政府の姿勢が怖くなりました。もっと国会でしっかり議論して決めてほしかったというのが本音です」(Aさん)
そもそもマインバーカードを持ち歩くことに、抵抗感があるという。
「健康保険証が廃止されて、病院に行くたびにマイナンバーカードを持って行くということは、紛失リスクも上がります。正直、現行の健康保険証を顔写真付きにすればいいと思うんですよ。マイナンバーカードの一体化で便利になることもあるとは思いますが、全国の病院にも設備投資が必要になるでしょうし、そこに多額の税金を投入するのは疑問です」(Aさん)