1872年10月14日に鉄道が開業してから、今年でちょうど150年を迎えた。激動の時代を駆け抜けてきた鉄道の軌跡は日本の歴史そのものだ。その名場面を、写真とともに振り返ってみよう。
【1872~1949年】“文明開化”がやってきた
今から150年前の鉄道開通は、輸送の概念を一新した、まさに文明開花のシンボルだった。
1872(明治5)年に本開業を迎えた日本初の鉄道は、新橋から横浜の間を結んだ。その距離は全長29キロ。当時、徒歩や人力車で半日以上かかる道のりを、わずか53分で走るという、画期的な乗り物だった。
当初は官設鉄道が主だったが、1881(明治14)年の日本鉄道会社発足を皮切りに私設鉄道も多数建設。国内各地で路線が拡張されたが、1906(明治39)年施行の鉄道国有法で17の私設鉄道が買収され、ほとんどが国有化された。
大正に入ると、国内経済の発展に伴い、車両の国産化などが図られ、鉄道技術の水準が飛躍的に高まった。
昭和に入り、特急の運行もスタート。戦時下でも新線の建設が進められ、1944(昭和19)年には全国の国鉄線が2万キロを超えるまでに成長した。