経済アナリストの森永卓郎氏は、「世界経済は1929年に始まった世界恐慌前に似ている」と見る。
「世界恐慌前には株価大暴落でニューヨークダウは10分の1に下がり、日本では昭和恐慌が起きた。世界経済が急減速する時には、政治は金融緩和と財政出動をしなければならない。米国も来年になれば景気を立て直すために金融引き締めから緩和に転換するはずです。ところが、何事も対応が周回遅れの岸田政権は、逆に来年4月の黒田東彦総裁交代後に引き締めに転じようとしている。それは経済危機に輪をかけるようなものです」
国民にすれば、このまま物価高騰が続けば生活はいよいよ苦しくなり、かといって金融引き締めになれば住宅ローン破綻の危機に直面しかねない。岸田首相と次の日銀総裁は、この危機をソフトランディングさせられるか。
※週刊ポスト2022年10月28日号