ビジネス

京都・大阪で中国資本による不動産買い占めが過熱 観光客向け宿泊所として運用されるケースも

大阪では天王寺区や中央区がターゲット

 大阪の不動産市場でも同様のことが起きている。大阪市で中国人向けの不動産を扱う東寧の永田林社長が語る。

「天王寺区や中央区の問い合わせが多い。中央区は中国人人気が高い道頓堀や黒門市場があり、繁華街で観光客も多いですからね。昨年は1か月に50件ほどの問い合わせでしたが、今は100件近くに。ホテルや利便性の高いマンションを購入している。2025年の大阪万博と2029年開業予定のIR(統合型リゾート施設)もあるため、コロナが収束したら観光客が戻ってくると確信しているようです」

 警鐘を鳴らすのが、外国人による土地売買問題を研究してきた元中央大学法科大学院教授で弁護士の升田純氏だ。

「コロナ禍で物件の空きが多く円安でもある今は、外国人富裕層にとって日本の土地は買い時です。ただし、それが投資目的だったとしても、中国の場合、国の意向によって取得した土地の目的が変質してしまう可能性はある。買われた土地は所有者の『領地』になるという危機意識が日本人には希薄です。土地取引を規制する法律がない以上、地域から声を上げ、実情に応じて条例での規制などを働きかけることも重要ではないか」

 中国政府の思い通りになるような事態は避けなければならない。

※週刊ポスト2022年10月28日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。