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まさに売るに売れない負動産… 評価額4万円の山を相続した女性の手続き地獄

山は手放すときに大変だったという(イラスト/大窪史乃)

山は手放すときに大変だったという(イラスト/大窪史乃)

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共同所有の土地なら所有権の放棄ができた?

「この件のように、不利益になるような不動産のみ相続放棄したい、という相談が近年増えています」とは、相続に詳しい弁護士の齋藤健博さんだ。

「相続では基本的に、被相続人の権利義務すべてを受け継ぐ『単純承認』か、すべてを放棄する『相続放棄』しか選べません。ですから、いらないものだけ相続しないということは原則できません(例外はあり)。この件で問題にすべきは、不要な土地を相続した場合、土地の所有権を放棄できるかどうか。実は、1つの土地を複数人で共同所有しているなら、所有権の放棄は可能です。亡夫のきょうだいに権利放棄を申し立て、それを相手が受け入れてくれれば成立します」(齋藤さん)

 ちなみに単独所有の土地の所有権放棄は、ほぼ不可能と思った方がいいという。多くの人を悩ませる、負の財産。土地を寄付として引き受けている自治体も一部にはあるようなので、調べてみるのも手。

【プロフィール】
齋藤健博さん/銀座さいとう法律事務所代表。主に「不倫」「浮気」「離婚」「男女問題」「セクハラ問題」を中心に、債権回収、企業法務・顧問弁護士、詐欺被害・消費者被害、犯罪・刑事事件、不動産・建築、借金・債務整理などの法律業務全般を取り扱う。

取材・文/前川亜紀

※女性セブン2022年11月3日号

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