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円安で手詰まり状態の日本経済 利上げしても企業倒産・住宅ローン破産激増の危機的状況

これからの日本に何が待ち受ける?(イメージ)

これからの日本に何が待ち受ける?(イメージ)

 日本経済に暗い影を落とす円安が止まらない。10月20日にはついに1ドル150円台を突破し、1990年8月以来、約32年ぶりの円安水準を更新。どこまで円安が進むのか、もはや誰も予測できない状況だ。この超円安は今後も続くとみられている。第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が語る。

「過去の経験則から、1ドル100~130円の間が望ましいといわれていますが、現在はこの水準を遥かに超えている。日本がどう対応しても、アメリカのインフレが落ちつかないとドル高が収まらないので、どうにもならない」

 アメリカやヨーロッパ諸国は物価上昇を抑えるために金利を上げているが、日銀は頑なにゼロ金利政策をとり続けている。経済評論家の加谷珪一氏が語る。

「日本も同じように利上げすれば、これほどの円安にはなりません。ユーロもドルに対して下がっていますが、円ほど安くなっていないのは金利を上げているから。しかし、日本の場合は景気の悪い状態が20年も続いているため、ここで金利を上げると利子負担で倒産が続出する。住宅ローンを変動金利で借りている人が多いため、住宅ローン破産者が激増する可能性もある。日本経済は手詰まりに近い状況なのです」

 利上げはさらなる危機をもたらす。

「日本政府が1000兆円の債務を抱えている状況で、2~3%の金利水準になると政府の利払いは年間20兆~30兆円にのぼる。消費税収を上回り、政府は予算を組めなくなってしまう」(加谷氏)

 この状況を踏まえて、加谷氏は最悪のシナリオを描く。

「日銀が金利を上げない以上、理論的には円安が際限なく続く可能性が高い。一部の専門家は1ドル180~200円までいくと分析しています。日本はエネルギーも資源も輸入に頼っているため、単純に支出が倍になる。景気はさらに後退し、富が海外に流出、日本経済は厳しい状況に追い込まれます」

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