ビジネス

円安で手詰まり状態の日本経済 利上げしても企業倒産・住宅ローン破産激増の危機的状況

 経済が落ち込む日本とは対照的に、経済成長著しいのが東南アジア諸国だ。シンガポールの2021年の1人当たりGDPは日本の約2倍。タイ、ベトナム、インドネシアなどの東南アジア諸国も右肩上がりで日本に迫っている。

「東南アジア諸国は、豊富な労働力や外資の参入によって急成長しています。タイやベトナムの国民1人当たりGDPは20年後には日本にかなり近づくでしょう。ジャカルタやバンコクの都市部で暮らす住民は、すでに日本人とほぼ同じ生活水準と見てよいほどです」(同前)

 この円安下では、日本での爆買いが可能になる。日本国内の不動産は東南アジアの富裕層に続々と買われていると永濱氏は言う。

「急激な円安の影響で日本の土地は“お買い得”。彼らは金融リテラシーが高く、円が高くなれば売り抜ける人もいるはずです。外国人による不動産購入はこの円安でヒートアップしている」

 東南アジアは「人件費が安い」というのも、もはや幻想だ。加谷氏が指摘する。

「手に職を持つ日本人が東南アジアで就職するケースが増えています。例えば同じフレンチのシェフをしていても、海外ではいきなり給料が倍になることもある。貴重な日本の人材が海外に流出してしまうことを私は危惧しています。日本の労働力が東南アジアに取られてしまうことは、日本経済の大問題です」

※週刊ポスト2022年11月4日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。