そうした日本の個人投資家は世界の為替市場で「ミセス・ワタナベ(男女問わず)」と呼ばれるようになった。FXが国内で広く認知されてきた2000年代半ば当時の財務官・渡辺博史氏(現国際通貨研究所理事長)になぞらえ、英経済紙が名付けたものとされる。
「ミセス・ワタナベ」が再び増加しているのはなぜか。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が指摘する。
「日本と欧米諸国の金利差が拡大を続けるなか、『金利の低い円を売って金利の高い外貨を買う』FXは“最もリスクが低い取引”と捉えられている。株式や暗号資産(仮想通貨)からFXに鞍替えする個人投資家が相次いでいます」
それが1か月に1000兆円という記録的な取引額を生み出したのだ。
※週刊ポスト2022年11月18・25日号