あなたが超合金を無価値と思っていることが、同僚に表示されていれば、実際価値10万円の200分の1の売買は錯誤で取り消せると思います。しかし、ネットなどで高く売られていることが容易にわかる場合、あなたに重過失があったことになり、同僚があなたの錯誤を承知していた場合や彼自身も同じ錯誤に陥っていた場合を除いて取消ができません。
この点、10万の価値を同僚が知っていれば、500円で売るあなたに錯誤があることは容易にわかったはずですし、同僚も500円の価値と誤解していれば、同じ錯誤になり、取消はできます。
ただ、同僚は転売していないようですし、10万円の相場を知っていたかも不明です。
必要のない超合金を惜しみ、引っ越しを手伝ってくれた同僚との関係を損なわないよう上手に話してください。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2022年11月18・25日号