ネットが広く利用されるようになり、テレビ番組の視聴スタイルも変化している。かつてはテレビの前に座ってリアルタイムで観たり、ハードディスクレコーダーに録画したものを観たりする人が多かっただろう。しかし、最近ではスマートフォンやパソコンで、「TVer」の“見逃し配信”で番組を楽しむ人も増えている。
多くの民放番組を無料で手軽に観られるTVerは、たしかにとても便利だ。予約する必要もなく、スマホであれば観る場所も選ばない。TVerでは、住んでいる地方では放送されない番組を観られるというメリットもある。
ただし、そんなTVerでもすべての番組が配信されるわけではない。生放送のニュース番組などは基本的に配信されず、スポーツ中継も配信されないものが多い。また、多くの番組の配信期限は放送後1週間ほどで、TVerでの配信終了後にネットで番組を観たければ、各局が運営している配信サービスの有料会員にならなければならないケースがほとんどだ。
また、TVerでは基本的に番組開始前にはCMが流れるほか、タイムバーでスキップさせたときにもCMが挿入される。それを煩わしく感じる人も少なくないようだ。
長い期間、番組を保存できる全録レコーダーという選択肢
一方、指定したチャンネルの全時間帯の番組を自動で録画する「全録レコーダー」なら、住んでいる地域で放送されているあらゆる番組をチェックすることができる。また、TVerでは1週間限定配信の番組が多いが、全録レコーダーならもっと長い期間、番組を保存しておけるうえ、CMを飛ばして観ることもできる。
TVerでは観られない番組でも逃さずチェックできる全録レコーダーだが、コスパを考える際に外せないのが、初期投資となる本体価格だ。
たとえばパナソニックの「全自動ディーガ」シリーズの公式オンラインショップでの価格を見てみると、ハイビジョン放送最大8チャンネル×28日間、4K放送最大1チャンネル×13日間録画できる最上位機種「DMR-4X1002」(10TB)が30万6900円(税込み、以下同)、ハイビジョン放送最大10チャンネル×28日間録画できる「DMR-2X602」(4Kチューナー非搭載、6TB)は16万2360円、ハイビジョン放送最大6チャンネル×24日間録画可能な「DMR-2X302」(4Kチューナー非搭載、3TB)は8万7120円、ハイビジョン放送最大6チャンネル×16日間録画可能な「DMR-2X202」(4Kチューナー非搭載、2TB)は6万5340円だ。
容量次第で番組を保存できる期間も変わるなど、機能によって全録レコーダーの価格に幅はあるが、最低数万円はかかってしまう。無料のTVerと比べると、コストがかかるものであることは間違いないだろう。