全録レコーダーと有料配信全局契約、どっちがお得か
全録レコーダーの最大のメリットは、より多くの番組を長期間保存しておけるということ。仮にこの機能をネット配信サービスでまかなうとしたら、どれくらいのコストがかかるのだろうか。
現在テレビ各局では、有料の番組配信サービスを提供している。エンタメ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏が説明する。
「TVerで配信されている番組の多くは各局の配信サービスにも含まれ、有料会員になればバックナンバーも見放題です。ただし全部のバックナンバーがあるわけではなく、配信期間が限定されている番組も少なくない。その他のメリットとしては、過去に放送されたドラマや配信サービス限定のドラマなどがあることです」
各局の有料配信サービスをすべて契約したら、費用はどのくらいになるのか。各局の有料配信サービスの料金は以下の通りだ。
・NHKオンデマンド 月額990円
・Hulu(日本テレビの番組を有料配信) 月額1026円
・TELASA(テレビ朝日の番組を有料配信) 月額618円(au ID利用)、650円(Apple ID、Googleアカウント利用)
・Paravi(TBS、テレビ東京の番組を配信) 月額1017円
・FOD(フジテレビの番組を配信) 月額976円
以上すべての配信サービスを利用したら、1か月に合計4627円かかることとなる(TELASAは618円で計算)。ネット上での“仮想全録レコーダー”状態には、月4627円、1年間なら5万5524円が必要となるのだ。
「全自動ディーガ」のハイビジョン放送最大10チャンネル×28日間録画可能の「DMR-2X602」の本体価格は16万2360円なので、“仮想全録レコーダー”の約3年分に相当する。つまり、全録レコーダーを3年以上使うなら、全録レコーダーのほうがネット上の“仮想全録レコーダー”より安く済むという計算になる。
「有料配信サービスは、テレビ番組以外のコンテンツも多いので、お得に思えますが、複数のサブスクに入っていると、“気づいたら1か月間そのサービスを一切利用していなかった”なんていうことも珍しくない。“いつでもネットで全番組を観られるようにしたい”というだけで、あらゆるサービスの有料会員になるのは、お金の無駄になってしまうこともあるでしょう。
ただ、全録レコーダーがなくても、有料配信サービスを利用すれば、ある程度観たい番組を観られるという安心感はあります。観たい番組がある時だけそのサービスの有料会員になって観るという形であれば、毎月のサブスク料金を節約できますね」(大塚氏)