家計

運用に回す前に確保しておくべきお金「3か月分の生活費」「5年以内に使う予定の定期預金」

多額の資金を一度に投資へ回すのはNG(イメージ。Getty Images)

多額の資金を一度に投資へ回すのはNG(イメージ。Getty Images)

 物価が上がるが賃金は上がらない、今の日本社会。家計が厳しくなるばかりのなか、本当にお金を増やしたいなら、投資は避けては通れない。投資である以上、リスクはゼロではないが、つみたてNISAなどの非課税制度を利用して「長期・分散・積立」のルールを守れば、銀行に置いておくよりも効率的に資産運用ができる。

 つみたてNISAとは、一度で複数の株式などに分散投資できる「投資信託」に積立投資するしくみの一種で、金融庁が選んだ手数料の低い投資信託だけを対象としており、リスクが低い。現時点では、年間40万円までの投資が20年間、非課税で運用できる決まりになっている。

 たとえば、上限ギリギリの月々3万3000円を20年間、利回り3%で運用できたとすると、元本約792万円に対し、運用益は約287万円。合計で約1079万円にもなる計算だ。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが説明する。

「ただし、増えやすいからといって、貯蓄をすべて投資に回したり、一度に多額のお金を投資してはいけません。“3か月分の生活費を入れた普通預金”“5年以内に使う予定のお金+αを入れた定期預金”を確保しておき、その残りを運用することをおすすめします」

 重要なのは、貯蓄にしろ、投資にしろ、「なぜ、お金を貯めたいのか」を明確にすることだ。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんはこう話す。

「いつまでにいくら貯めて何に使いたいのか決めていなければ、お金にきちんと向き合えず、無意識の出費が増えます。まずは、直近の収入やボーナスに対し“何割を貯蓄して、残りの何割を何に使いたいのか”を決めてください。そうすれば、クレジットカードで浪費したり、安易にボーナス払いをすることもなくなります」

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