地味な「数量減」に敏感に
メーカー勤務の40代女性・Bさんは、特に個数や本数の変化に敏感になっている。
「パッケージ袋が大きいと、中に入っている量も多いと思うじゃないですか。ずっとデータをとっているわけではないので、あまり声を大きくて言えないですけど、『あれ、昔からこんな量だったっけ……?』と思うことは多いです。最近だと、『○本増量!』と書いてあったので喜んだら、そもそも減っていて、そこから元の本数に戻っただけだった、という話がツイッターでバズっていましたが、全く同じことを思っていたので、自分だけじゃないんだなと思いました」(Bさん)
外食でも小容量化を実感したり、疑ったりすることが増えた。
「メニュー写真の量と、実際に提供される量に違いを感じるような、あからさまなことは少ないですけど、昔の記憶と比較して『もしかして、減った?』と疑ってしまうことは増えました。例えばファミレス。20年くらい前の学生時代、友人たちと分け合った思い出があるメニューでも、今は分け合うほどではなくて、『あれ?減った?』とか。以前より『量が減った?』と感じることは多いように思います」(Bさん)
「絶対、減った」と思って調べたら…
エンタメ系企業で働く30代男性・Cさんは、かつては缶コーヒーを愛飲していた。最近久しぶりに購入し、「なんか小さくなったような気がする」と思ったことを明かす。
「以前では休憩時間、よく自販機で缶コーヒーを買っていました。最近はカップのコーヒーばかり飲んでいたのですが、先日、久しぶりに缶コーヒーを買ったんです、そうしたら、なんだか缶が小さくなった気がして……。思わず容量を確認したら170g。嘘でしょ?と思って、コンビニに同じ商品を見に行ったら、185gのものが売られていたので、自販機専用のサイズなのかもしれません。
というか、185gだってその前は190gだったはず。いつから185gになったのかと気になって、飲料メーカーのリリースを遡ったら、どうやら10年ほど前から切り替わっていたんですね。消費者の嗜好の変化に対応している部分もあるのでしょうが、さすがに5gの変化だとすぐに気づかないと、笑ってしまいました。最近量が減るものが多いので、以前よりも容量に敏感になっていますが、知ったところで別にいい気持ちはしないので、“容量警察”は、正直やめたい習慣です(笑)」
知らぬ間にサイズダウンする商品が増えている昨今。値上げラッシュが続くなかで、価格だけでなく容量にも敏感になる消費者は少なくないのかもしれない。(了)