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「とにかく憂鬱でした…」修学旅行に行きたくなかった人たちが今明かす本音

良くも悪くも色褪せない修学旅行の思い出(イメージ)

良くも悪くも色褪せない修学旅行の思い出(イメージ)

行き先は沖縄、たいてい羨ましがられるけど…

 20代男性・Bさん(IT企業勤務)は、女子学生が多い学校に通っていたこともあり、クラスの男子の数は40人クラスで一桁だった。男女の偏りゆえの苦悩があったという。

「男子が少ないからといって、男子みんなが仲が良いわけではないんです。むしろ、友達候補が少ないというネックがありました。男子は今で言うところの“陽キャ”が多くて、どちらかというとマイペースな僕は、近寄りがたかったです。女子のなかには気が合う人もいて、学校生活はどうにかなっていましたが、修学旅行は男女別行動がメインで、男子はまとめて1班のみという雑な扱いだったので、もう憂鬱でしかなかったです」(Bさん)

 高校時代の修学旅行の行き先は沖縄だった。Bさんは「沖縄と言うとたいてい羨ましがられますが、それは一緒にいて楽しいと思える人と行くからです」と回想する。

「修学旅行は嫌でしたが、親に心配をかけたくなかったので、行かないというわけにはいかなかった。さらに、僕は全然乗り気じゃないのに、じゃんけんで負けて班長になってしまった。班長権限を逆手に取って、『集合時間に点呼はとるが、基本的に自由行動』と提案をしたら、みんなが受け入れてくれたのはラッキーでしたね。周りのみんなは集団行動してましたが、僕はどこへ行っても、一人で過ごす時間が長かったです」(Bさん)

「行くかどうか」自由に選べたらいいのに

 修学旅行をキャンセルした人もいる。30代女性・Cさん(公務員)は高校生当時、修学旅行に『行きたくない』と両親に伝えると、父親と母親の意見が分かれてしまい、夫婦喧嘩に発展した。

「『一生に一度、貴重な経験になるから』という母親に対し、父親は『無理に行くことはない』と真っ二つ。両親が言い合いになって散々でした。どちらの言いたいこともわかるので、私のせいで喧嘩になってしまったことがつらかったです」(Cさん)

 そこでCさんは、両親の言い分を“いいとこ取り”した案を提示した。

「修学旅行に行かない人は、1か月前なら全額返金可能だったので、まずキャンセルしてお金を返してもらう。そのお金で、後日、自分で行きたいところを調べたうえで、旅行をしたいと言ったんです。ダメもとの提案でしたが、両親は受け入れてくれました。『修学旅行』って、行かないのはあり得ないという風潮で、先生も含めてみんな『楽しみ』前提で話が進められますが、そうじゃない人もいるんです。

 とはいえ、コロナ禍で、強制的に中止されるのは、楽しみにしていた人たちにとってはすごくつらいだろうと思います。やっぱり、選べる状態で行かないのと、行けなくなるのとでは、全然違うと思うから。ただその一方で、中止になってホッとした人もいるだろうな、とも……。今後は修学旅行に行くかどうか、もっと自由に選べる時代になるといいですね」(Cさん)

 青春の1ページとして、多くの学校が伝統的に取り入れている修学旅行。コロナ禍では延期や中止を決定した学校も多かったが、コロナ後のあり方はどうなるか──。(了)

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