同社は2020年にも一律1万円の「テレワーク手当」を全社員に支給したという。
IT大手のサイボウズでも、今年7月末、国内外の社員約1000人を対象に最大15万円の特別一時金が支給された。
「急激なインフレによる社員の生活への不安を軽減し業務に集中するために必要と判断して支給が決まりました。無期・有期の直接雇用者が対象です」(広報担当)
同社社員からは、「在宅勤務が続き夏場の電気代が心配だったが、手当のおかげでエアコン代を気にせずに安心して業務ができた」「子供が生まれて家族が増え、食料・生活用品の値上がりを実感するようになった。社員の生活を真剣に考えてくれる会社に感謝したい」といった声が聞こえてきた。
これらはあくまで「一時金」だが、家電量販大手のノジマのように「7月の給与支給分から毎月1万円の『物価上昇応援手当』を終了時期未定で支給」する企業もある。同社広報によると、対象は部長級以上を除く約3000人の全社員だという。
同様に、外食大手「大阪王将」を運営するイートアンドホールディングスは10月から月8000円を、調査会社オリコンも10月から月1万円をインフレ手当として支給し始めている。
一連の動きについて、消費生活アドバイザーの丸山晴美氏はこう話す。
「インフレの進展で、今年は2人世帯で年間12万円の支出増になるとの試算もあります。生活が苦しくなることが避けられない状況で、会社からインフレ手当が出るのは安心感につながり、社員の士気を高める効果もある。そうした企業努力は非常に評価できます」