近年、深刻なユーザー減に苦しんでいるパチンコ・パチスロ業界。その要因の一つとなっているのが、イベント規制だ。現在、多くの地域でパチンコホールにおける“イベント”の告知が禁止されており、ホールが集客するための施策が難しい状況。一方で、“イベントらしきもの”が行われている実態もある。
かつては多くのホールが「毎月○(数字が入る)の日は××の機種がアツイ!」といった宣伝文句で、特定の日に特定の機種での出玉還元をほのめかすイベントを開催。そのイベント日には、多くの客が朝から並ぶという光景も当たり前だった。
しかし、2011年の東日本大震災後に電力不足の状況になると、パチンコ業界に対する風当たりが強くなるとともに、業界内に自粛ムードが漂った。その結果、射幸心を煽るようなイベントの告知が規制されることになったのだ。
かわりにその後増えたのは、パチンコ・パチスロライターやタレント、YouTuberなどの来店・取材イベントだ。あくまでも“来店・取材イベント”なので、射幸心を煽るような宣伝文句は使っていなかったものの、事実上“イベント”と変わらないことも多く、現在ではそういった来店取材イベントの告知も規制されている地域が多い。
とはいえ実際には、現在でも集客のためのイベントをこっそり開催しているホールは少なくない。パチンコ・パチスロ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏は、こう話す。
「イベントが規制される前と同様のイベントを、告知せずに開催しているホールが多いです。ユーザーの間では“旧イベ”などと呼ばれています。多くのホールが“1のつく日”とか“7のつく日”のように、日付の数字に紐付けたイベントを開催していたので、それを知っている人であれば、告知がなくても旧イベの開催日を予測できるわけです。
また、YouTuberの来店イベントについては、YouTuber側が日付と訪れるホールをほのめかすパターンも多いです。“○○インター近くの店”とか“いつものお店”なんていう告知の仕方もあり、知っている人なら簡単にわかる文言も多いです」