さらに、これらの無告知で開催されているイベントをネット上で拡散させる“晒し屋”という存在もあるという。
「もともとは一般ユーザーが、ほかのユーザーに向けて“旧イベ”に関する情報を発信していたのが“晒し屋”だったんですが、最近ではホール側から依頼されて告知する晒し屋も増えているようです。つまり、一般ユーザーのふりをした晒し屋が、“ステマ”のような形でイベントを告知しているということです」(藤井氏)
東京都のパチンコホール業者による東京都遊技業協同組合は10月19日、2022年度遊技場経営者研修会を開催。そこで、警視庁保安課風俗営業係の担当官が講義を行い、晒し屋を使ったイベント告知について言及した。
「この研修会での警視庁からの指摘は、晒し屋が裏で暴力団などとつながっている可能性を示唆するもので、晒し屋を使うリスクについて注意喚起するものでした。暴力団とのつながりを抑止するというのはもちろんですが、警視庁としては晒し屋を使ったイベント告知そのものに対する牽制の意味が強かったと思います」(藤井氏)
ひっそり開催されるイベントは勝てるのか?
規制の網の目をくぐって開催されているパチンコホールのイベントだが、実際にユーザーはイベント日に勝てているのだろうか?
「イベントの告知が許されていた頃から変わらないことですが、本当に出玉で還元するイベントもある一方で“ガセイベント”もある。そのあたりの情報は、かつてはユーザー同士の口コミで広がり、現在はネット上で共有されるになっています。だから、熱いイベントであれば開店前から1000人以上が並ぶこともあるし、ガセイベントとして知られているものであれば、通常営業と何ら変わらないこともあります」(藤井氏)
ネット上で知った“熱い”とされるイベントに足を運んだはいいが、思ったような結果とならないことなど、ユーザーにとっては日常茶飯事だ。PR会社勤務で、パチスロファンの30代男性・Aさん(都内在住)が自身の体験談を明かす。
「とある人気YouTuberの来店イベントがあるという情報を得て、朝から行ったんです。そのYouTuberの実践動画を見ると、毎回のように朝から1000人以上並んでいて、本当に集客力があるんだろうな……という感じでした。
そして、実際に行ってみたら、本当に朝から沢山の人が並んでいてびっくり。1000人以上並んでいたと思います。その全員で入場順番を抽選するんですが、私の番号は700番代で、打ちたい機種には座れない順番でした。とりあえず、ネット上で“熱い”とされていたパチスロの機種が空くまで、別の機種を打って時間を潰していましたが、それで大負けしてしまいました。狙い目の機種はたしかに全台高設定のようだったので、ネットの情報はあながち嘘ではなかったのかもしれません。でも、結局入店時の抽選で良い番号を引けないと、どうにもならないということですよね」