まさに「デジタル・ディバイド」。周りから取り残されるという感覚はシニアだけではない。共に暮らす私も同じだ。「早く取り入れないと生き残れないよ。あなただけじゃない、親まで不幸せにするよ」と急かされているようで焦る、焦る!
その背中にざっぷんどっぷんと押し寄せるデジタルの波。アプリが簡単にダウンロードできますよ。ダウンロードすればポイントをもらえますよ。SNSを登録すれば、簡単につながれますよ。お得な情報が入りますよ——。その「簡単」が簡単ではない我が家。しかも、インターネットの情報は正しいものばかりではない。逆に振り回されないよう、ITリテラシーを身につけておく必要もある。焦りと怖さのせめぎあいである。
親だってもどかしいはず。わかってはいるのだ。だから「面倒臭がらない、焦らない、呆れない、諦めない」この「4ない」は、デジタル移行で心がけておきたいとは思っている。それでも日常的に顔を突き合わせる同居親子ゆえ、なかなか寛大になれないことも多い。
そのためにも、子も親もお互いストレスがかからない家電選びが必要だと感じる。デジタルに疎い我が家のようなタイプほど、「教える側の子どもがまず使いこなせるモノかどうか」を選択基準にするといいかもしれない。
【プロフィール】
田中稲(たなか・いね)/1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。編集プロダクション・オフィステイクオー・著『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など執筆参加も多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。Twitterアカウントは@ine_tanaka。