投資先として注目したいのは「まずはアメリカ」
世界的インフレのスタート地点とはいえ、アメリカはやはり現時点では世界経済の中心であり、地球上でもっとも経済的に成功している国だといえる。
アメリカに投資するということは、資産を円とドルに分散し、米国企業を通してグローバルに投資できるということ。この円安局面で、円とドルの両方を持っておくことは、大きなリスクヘッジになる。日本つみたて投資協会代表理事の太田創さんが言う。
「アメリカは、インフレに対応できる株式や不動産市場も、日本より充実しています。世界的な企業の多い米国株を対象にした投資信託やETFはもちろん、日本国債よりも金利の高い米国債も視野に入れるといいでしょう」
投資信託はもちろんETFも、つみたてNISA口座さえあれば簡単に購入することができ、つみたてNISA口座を通じて購入すれば、値上がり益や分配金は非課税になる。
ETFとは投資信託の一種で、1つでさまざまな銘柄に分散投資できる商品だ。組み込まれている株はどれも上場している優良企業のもの。個別株と同じようにリアルタイムで取引ができ、米国ETFの中には手数料(信託報酬率)が年0.03%と非常に低いものがあることも魅力だ。
特に注目したいのが、アメリカでもっとも有名な株価指数「S&P500」や「NYダウ」に連動することを目指して運用するもの。一方、アメリカを含む世界中に分散投資したいなら「MSCI World Index」などに連動するものがある。
「まずはアメリカ、そして誰もが知っているような企業や有名な株価指数に準ずるものを選べば、将来の成長性も期待できるでしょう。投資先としては中国やアジアも人気ですが、新興国は成長スピードが速い一方、リスクも大きく、超上級者向けです。アジア諸国に投資したいなら、リスクを分散しやすいETFや『インデックス投信』で、値動きの大きさなどを認識しておくべきです」(太田さん)