しかし、突然の閉店ではこうした手続きをしていない可能性が考えられます。その場合、カード等保有者は金融庁長官に権利実行の申立ができ、以後は金融庁が届け出たカード保有者に対し、発行保証金から残高に応じて配当します。
カード保有者は、発行保証金について他の債権者に先立ち、弁済を受ける優先弁済権がありますが、発行保証金を供託していなければ、刑事罰は適用されるものの、チャージしたお金の回収は困難です。
今回の場合、最寄りの財務局か、前払式支払い手段について苦情や相談を受け付ける「日本資金決済業協会」に問い合わせてください。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2022年12月16日号