企業概要
インソースは、企業や官公庁などに研修サービスを提供する企業。企業の人事部などに対して講師派遣型研修や公開講座を提供するほか、企業の人的資本管理をサポートするシステムも提供しており、人事・教育に関わる企業の課題解決を総合的に支援しています。
創業は2002年で、それから研修サービスを提供してきた組織の数は4万近くに及びます。同社ではこの実績と経験ノウハウを活かし、顧客ニーズ・社会の変化に合わせて年間300本に及ぶ研修コンテンツを開発しています。
2022年9月末現在用意されている研修コンテンツは、講師派遣型研修が3794種、公開講座型研修が3630種、eラーニング・動画544種と非常に充実しています。
またこれら開発したコンテンツは、カスタマイズして拡販したり、同じ内容でも「講師派遣」「公開講座」「オンライン」の3つの方法で一度に全国展開することで、売上拡大に繋げることが出来ているようです。
そしてこれら研修は年間で年間2万回超実施され、63万人超が受講しているとのこと。これは研究業界で圧倒的な実績と言われます。
注目ポイント
圧倒的コンテンツ数と顧客ニーズに合わせた研修内容が好評を呼び、取引先の数は一貫して増加を続けています。創業から2022年9月末までに取引した組織は累計3万9699組織。過去1年間(21年10月~22年9月)だけでも1万2760組織ですから、ここ数年で成長が急加速していることが伺えます。
また2016年の上場で得た資金を活用した買収やIT投資が事業拡大を加速させました。2016年の上場時からは、累計取引先数は2.2倍、取引を支える従業員数も2倍の592名、講師の数も315名と1.5倍に増加。売上高は3.9倍、営業利益は8.4倍にまで拡大し、株価は18倍というレベルまで上がってきました。
足元業績も好調で、次期2023年9月期も連続最高業績更新の見通しとなっています。最近発表された10月度のKPI(業績指標)も好調。講師派遣型研修の実施回数は前年比8.2%増、公開講座受講者数は29.3%増、eラーニング・動画のコンテンツ販売は118.1%の大幅増となっています。
注力するDX関連研修についても、講師派遣型研修の実施回数が51.5%増、公開講座受講者数は28.9%増と、DX教育ニーズの高まりを享受できていることが確認できました。同社はコロナを機にオンライン化ニーズへの対応を急ぎ、それが功を奏して採算性を高めることに成功しました。利益水準は一段上がった印象です。
【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。