再就職にはICTスキルが必須
長い間働いていなかったり、これから働きたい人には「求職者支援訓練」がある。
「求職者支援訓練は、いままで雇用保険に入ったことがない人や、失業給付金を受け取っていない人でも、月10万円の生活支援給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受けることができる制度です」(丸山さん)
求職者支援訓練の利用者は7割が女性。さらに、4分の1が50代以上だ。ほかにも、離職して再就職を希望する人を対象にした「離職者訓練」もある。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが説明する。
「キャリア人材バンクに登録すれば、電気設備技術や住宅リフォームといった訓練を無料で受けることができます。ハローワークからのあっせんが必要ですが、全国のポリテクセンターで無料で受講できます」
35才以上55才未満なら「就職氷河期世代向けの短期資格等取得コース」もある。
1~3か月の間、ICT関連などの職業訓練を無料で受けられる。ICT関連は未経験だとハードルが高く感じるが、丸山さんは、これからの時代はどんな職種であっても、エクセルやワードといった最低限のパソコンスキルは持っておくべきだと語る。
「パソコンを持っていて、エクセルやワードが使えるようになりたいだけなら、YouTubeでも充分です。さらに上をめざすなら、大学などのオンライン講座が無料で受けられる『JMOOC』がおすすめです」(丸山さん)
このほかにも、OA事務や介護を学べる和歌山県立和歌山産業技術専門学院の離転職者を対象としたコースや、シニア向けに花や野菜などの育て方を教える東京農業大学のグリーンアカデミーなど、大学や専門学校の多くが、無料のリカレント教育講座を開講している。
※女性セブン2023年1月1日号