コロナ対策の巨額のバラ撒きを取り戻すつもりなのか、岸田政権は様々な税・保険料の「負担増」を画策。医療費負担増も重くのしかかってくる。2022年10月、一定の所得がある75歳以上は医療費の窓口負担が1割から2割にアップした。2023年4月からは自営業者らが加入する国民健康保険の保険料について高所得者の年間上限額が2万円引き上げられる。
こうした状況下で医療費負担を削減するためにはどうすればよいのか。効果的なのは、入院費を削ることだ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。
「入院日数は医療機関ごとにバラつきがあり、儲けたい病院が患者の入院期間を長く設定することもある。医療費を抑えたいなら、入院期間が短い医療機関を選べるとよい」
事前に担当医に確認すれば、およその入院期間を教えてもらえる。
入院時の医療内容もチェックしたい。
「無駄になりやすいのが、糖尿病患者などを一定期間入院させて生活習慣の指導をする『教育入院』。また、手術も病院ごとに方針が変わります。本当に必要な医療か再考するのが望ましい」(同前)
入院などで医療費が嵩んだ場合、必ず活用したい公的制度が「高額療養費制度」だが、対象外の医療費もあるので注意が必要だ。
「医療費がひと月に一定額を超えた場合、超過分のお金が戻ってくるのが高額療養費制度。一般的な収入(年収約370万~約770万円/70歳未満)の人で1か月の支払い上限は約9万円となり、それ以上のお金が払い戻されます。
ただし、払い戻しの対象にならない費用もあります。1~4人部屋にかかる差額ベッド代や食事代は自己負担になります。入院費用が高額になる見通しである場合、事前に『限度額適用認定証』を申請すると、高額療養費制度の限度額までの自己負担で済み、窓口負担を抑えられます」(同前)
必要な医療を節約して体調が悪化しては意味がないが、医師と相談のうえ無駄な医療費を賢く減らすことはできる。
※週刊ポスト2022年12月23日号