長期投資において必要となる資産分散。値動きによってそれぞれの資産の配分が変わってきた場合はどのように対応すればよいか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第23回は、「リバランスの考え方」について。
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長期投資をする上で、資産分散は欠かせません。値動きの異なる資産を組み合わせてポートフォリオを組み、リスクを低減します。日本の年金資金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も国内債券、国内株式、海外債券、海外株式を25%ずつ配分したポートフォリオ運用をしています。
リバランスとは?
最初は配分どおりに運用していても、時間がたつにつれて崩れてきます。その配分を見直すことをリバランスといいます。
リバランスには、割合が大きくなった資産を売却したお金で、割合の小さい資産を買い足す方法と、新たなお金を追加して割合が小さい資産を買い増す方法があります。売却したときに税金が発生することを考えると、資産に余裕がある人や、これから資産を大きく増やしたい人は、買い増す方法がよいでしょう。
リバランスはなぜ必要か
GPIFのポートフォリオを例に見ると、この配分は「運用利回り1.7%を得るために、最低限必要なリスクを負ったポートフォリオ」とされています。ところが、1年経過した時点で、株式の比率が高くなってしまったら、必要以上にリスクを取ることになりますし、逆に債券の比率が高くなると、狙ったリターンが得られないかもしれません。そのため、元の配分に戻す必要があるのです。
また、値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買い増すことで、その後のパフォーマンスが改善される可能性があります。