リバランスのデメリット
リバランスのいちばんのデメリットは、手間がかかることです。資産配分を見直して、最適な配分になるよう売買するには、それなりに頭も使いますので、めんどくさいと感じるかもしれませんね。さらに、資産を売り買いするので売買手数料がかかります。また、利益確定した資産は譲渡所得として税金がかかりますので、長期運用の複利効果をやや低減してしまいます。その点から、リバランスの頻度は、あまり多くしすぎないことも重要です。
リバランスのタイミングは?
暴騰や暴落したタイミングでリバランスするのは、投資家としては極めて正しい行動ですが、実際にそういう状況では、冷静な精神状態ではいられず誤った判断をしてしまうかもしれません。仮に暴落したときは、本来ならそこで買い増すべきですが、怖くなってさらに売ってしまっては本末転倒です。
そこで、おすすめなのは、1年に一度、毎年年末に行うなど、ルーティンワークにすることです。もしくは、決めた比率から、±10ポイントブレたらリバランスするのもよいでしょう。ただ、こちらは少し上級者向きかもしれませんね。ちなみにGPIFは、日本株比率25%に対して、±8ポイントの許容範囲を決めています。よって、日本株比率が17%を割る(あるいは33%を超える)とリバランスすることになります。
リバランスが必要ない場合
バランス型の投資信託で運用している場合は、自分でリバランスする必要はありません。自動的にリバランスしてくれるので、完全にほったらかしでオッケー。ただし、バランス型の投資信託は、信託報酬などコストがやや高めに設定されています。リバランスの手間と、バランス型投信にかかるコストを比べて、より自分の性格やライフスタイルにあったほうを選びましょう。
《本日のまとめ》
・リスクとリターンの比率を整えるためにリバランスは必要
・年に1回のリバランスをルーティンワークにしよう
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」(https://lounge.dmm.com/detail/3843/)を主宰。本稿の関連動画がYouTube(https://youtu.be/vxqT44yUrJQ)にて公開中。