岸田政権は統一教会問題と閣僚の辞任ドミノで内閣支持率30%台の超低空飛行に喘いでいる。岸田首相は「聞く力がある」と強調していたが、蓋を開けてみれば、信念も理念もない「攻められたら相手の言うことを聞く力」でしかなかった。
岸田首相の当面の目標は2023年5月の広島サミット出席だから、今後も内閣支持率が低迷して自民党内の求心力を失っていけば、サミットを花道に退任する可能性もある。その後を継ぐ首相がアベノミクスに決別して改革を断行するなら、日本経済にとっては久々の朗報となるかもしれない。
【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊『日本の論点 2023~24』(プレジデント社刊)など著書多数。
※週刊ポスト2023年1月1・6日号