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住まい・不動産

相続の火種になりやすい不動産 「片方が認知症になると売却できない」夫婦共有名義のリスク

トラブルに発展しやすい「不動産の相続」をどう進めるか(イメージ)

トラブルに発展しやすい「不動産の相続」をどう進めるか(イメージ)

 親から子への相続において、もっとも争いを招きやすい財産は不動産だ。夢相続代表で相続実務士の曽根惠子さんが説明する。

「もし、自宅が空き家になり、住む子供がいないなら、それを売却して子供たちに均等に分けるのがいちばんです。“長年暮らしてきた家を手放したくない”と思うなら、遺言書で“不動産は長男、金融資産は長女、保険は次男”などと、なるべく偏らないように指定するほかありません」

 家も土地も、売ってお金にしない限り分けることはできない。だが、そう簡単に手放せるものでもない。それならせめて、少しでも争いが起きないように準備しておくべきだ。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが言う。

「不動産を夫婦の共有名義にするのは、避けておいた方がいいでしょう。共有名義だと、どちらか一方が認知症になると、売却などの手続きができなくなるのです。また、夫婦の共有名義のまま子供が相続すると、結婚や離婚、再婚などのたびにどんどん法定相続人が増えていき、さらに相続争いが起きやすくなります」(三原さん)

 また、子供が1人でないなら「どの子に不動産を渡すか」も重要だ。ベリーベスト法律事務所の弁護士・遠藤知穂さんの話。

「子供に自宅を相続させるとき、ただ“長男だから”といった理由では、争いを招きかねないだけでなく、相続税が多くなる可能性があります。『小規模宅地等の特例』といって、自宅不動産の相続は、330平方メートルまでの宅地は評価額が8割減になるのです。配偶者だけでなく、子供など同居する親族のほか『家なき子特例』といって、別居していても持ち家がなく賃貸住まいの子供は、親から相続する自宅の評価額を下げることができる場合があります。

“長男は持ち家で、次男は賃貸住まい”といった家族なら、自宅は次男に相続させた方が、相続税を抑えられるかもしれません」

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