フリマアプリなどのネットを介した個人間取引が活発化している。経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」によると、個人間ECの2021年の推定市場規模は2兆2121億円で、前年比12.9%伸び率を記録している。このように市場規模は拡大しているのだが、その一方で、不用品を整理するために出品したはいいものの「まったく売れなくなった」と嘆く人たちもいる。以前と何が変わってきているのだろうか。フリマアプリで出品する人たちに、その実情を自己分析してもらった。
「いいね」はされるが、なかなか売れない
メーカーに勤務する30代男性・Aさんは、メルカリ歴4年。着なくなった衣類や、使わない家電などを中心に出品してきたが、最近は売れ行きが悪いと嘆く。
「僕がメルカリを始めたころは、出品すればほとんどのものが売れた。もちろん値下げ交渉もありましたが、そこまでシビアな感じではありませんでした。最近は『いいね』はたくさん付くけど、売れないことが増えましたね」(Aさん)
Aさんは、売れ行きが悪くなったのは、昨今の物価高が関係しているのではないかと分析する。
「中古品でも買い控えというか、買い物熱が冷めているように感じます。メルカリでは、送料が値上げされてから、その分を出品価格にも反映する人が多かったでしょうから、それも辛いところです。値下げ交渉は激化していて、無理な価格を提示されるパターンもあれば、『どこまで値下げできるか』と試されることも。結局、捨てるよりはマシ、というぐらいの値段で売り払うこともあります」(Aさん)