投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月19日~12月23日の動きを振り返りつつ、年末年始の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1291.87円安(-4.69%)と続落。ローソク足は長い実体を伴った陰線を形成。主要な移動平均線もすべて大幅に下回って終えた。
日経平均は前の週末からの売りの流れが続き、週明け19日は289.48円安と3日続落。引き続き米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の過剰な金融引き締めが景気後退を招くとの懸念が売りを誘った。翌20日は669.61円安と急落。日本銀行が金融政策決定会合において事前の現状維持の予想に反し、大規模緩和の修正を発表。従来0.25%程度としてきた長期金利の変動幅を0.5%に拡大すると決めた。このネガティブサプライズを受けて為替は急速に円高が進み、株式にはリスク回避の売りが広がった。
21日も180.31円安と5日続落。日銀のサプライズ政策変更を受けてグローバルな金利上昇圧力が再燃し、リスク回避の売りが続いた。22日は120.15円高と6日ぶりに反発。米国で、ナイキとフェデックスの決算や12月CB消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことが投資家心理を改善させた。しかし、週末23日は再び272.62円安と反落。米半導体メモリ大手マイクロン・テクノロジーの低調な決算を受けて前日の米株式市場が大幅安となったことが重荷となった。
今週の東京株式市場は軟調な展開が予想される。世界景気が減速する中、FRBやECBは頑なに金融引き締め継続の必要性を主張しており、過剰な引き締めが深刻な景気後退を招き得るとの警戒感が引き続き相場の重荷となってこよう。
また、日本銀行はイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正を決定、長期金利の上限を引き上げ、実質的な利上げを決めた。黒田総裁の過去の発言から、今回の決定には大きなサプライズが伴った。今後、さらなる上限の引き上げや、ひいてはYCCが撤廃されるのではないかという思惑がくすぶり続けることになる。日銀のサプライズ政策修正を機に、ドル円は200日移動平均線を下抜け、円高・ドル安トレンドが加速している。さらなる政策修正への思惑がくすぶる中、一段の円高進行も否定できず、輸出企業を中心に日本株の上値抑制要因となることが懸念される。