長引くコロナ禍で、すっかり着用が日常化したマスク。いまでは外出時にはマスクをするのが当たり前で、他人に素顔を見せることに抵抗を感じる人たちもいる。中でも女性は、職場や取引先などで男性から「マスク取ってみて」と言われ、不快に感じた経験がある人も少なくないようだ。実際にマスクを外すように促された女性たちの声を紹介する。
「俺が外してるんだから、お前も外すべきだろ」
20代女性・Aさんは、男性向けのメニューも展開する脱毛サロン勤務。まず、コロナ禍で脱毛需要が増加した背景に、マスクの存在があることを指摘する。
「コロナ禍になり、脱毛をする男性は明らかに増えました。特にうちは電気脱毛なので、脱毛前に一旦伸ばさなくてはいけないため、職業によってはハードルが高いんですけど、マスクをしていればそれがごまかせる。脱毛後のまばらな状態も隠していられますからね」(Aさん)
男性の顔脱毛が増えたことで売上が上がって喜ばしい一方、Aさんら従業員には好ましくないことも起こっている。
「顔脱毛のお客様と私たちスタッフは、ある程度の時間お顔が向き合います。その間、ちょっとした雑談をすることがありますが、結構な確率で『マスク取ってみて』『ちょっとでいいからさ』などと言われますね。お客様の中には、『俺が外してるんだから、お前も外すべきだろ』というような人もいて、困ります。とはいえ、どんなに頼まれても、絶対外しませんけど……」(Aさん)